コリドー街で、猫背でも伸びる肩甲骨ストレッチを体験

◆ まるでパリのカフェ。“街角サロン”感がやけに新鮮だ

台風一過。東京都心で最高気温28.4度を記録した5月某日、容赦なく降り注ぐ初夏の陽射しに軽くめまいを覚えながら、私は銀座のコリドー通りへ向かった。コリドー通りといえば、かつてはややマニアックなにおいがしたものだが、いまやフレンチ、イタリアン、スペインバルやオイスターバーなどが軒を連ね、ここはパリか？ってぐらいおしゃれな街に変身している。そのコリドー通りの中ほど、スターバックスの隣にあるのが本日の目的地、 Re.Ra.Ku銀座７丁目店さんである。銀座の地に店を構えて11年、4年前にリニューアルしたというサロンは、通り側は全面ガラス張り、でも施術コーナーは見えないという親切設計。おしゃれな街にさりげなく溶け込んでいる。

さっそく受付を済ませ、ソファでカウンセリングシートに記入をしていると、次々にお客さんがやってくる。「80分、いける？」と、ふらりと入ってきたのは、常連とおぼしき経営者風の男性。次の訪問までの空き時間に「フット30分」をオーダーする営業マン。そしてメンバーズカード忘れちゃったという、ちょっとあわてんぼうなミセス……。誰もが「キャラメルマキアートある？」ぐらいのテンションで入店してくるのが面白い。まさに街角カフェの風情である。

そうこうするうちに名前を呼ばれ、着替えをすませるといざ施術ルームへ。6台のベッドが整然と並ぶ室内は、スポーツジムのようなオープンな雰囲気。とはいえ仕切りのカーテンもあるし、隣との距離がしっかり取られているので人目は気にならない。今回私がオーダーしたのは、疲労撃退コース60分　6480円。まずはベッドに腰かけ、背中の可動チェックから。両手をまっすぐ上げ、手のひらを合わせたら、そのまま後ろに倒す。続いて、上下から腕を回して背中で手を組む“背中手つなぎ”。実は私、これが昔から片側だけどうしてもつかない。「あー、ダメだ」と投げやりになる私に、“筋肉職人”の異名をもつ担当αさんが丁寧に解説してくれる。「あ、これ右手が上がってませんね。肩が内側に入っちゃってるから、肘がこれ以上いかないんですよ」「こうすると痛くないですか？」「この部分、ケアしていきましょう」。おそるべし、職人芸！　自分のカラダのクセって、何となく自分では分かっているもの。でもその原理をひもとくことができないのだ。だから改善もできない。それをαさんは、わずか１分でズバズバ解明し、改善策を講じてくれる。これは単純に気持ちがいい！　

◆ 洋服を買うより、メイクを変えるより、まずは「肩甲骨」を整えよう！

その後もαさんは、頭のてっぺんから足の先まで、あらゆる角度から私のカラダを分析し、その場でさくさくケアしてくれる。しかし何といっても圧巻は、リラクさんオリジナルの「肩甲骨ストレッチ」だ。背中に一対ある三角形の骨、肩甲骨は頭や腕、腰をつなぐ重要な中継地点。この肩甲骨がしなやかに動くようになると姿勢がよくなり、肩こりや腰痛の改善のほか、ダイエット、バストアップ、美肌も期待できるという、何とも“お得”な部位なのである。

肩甲骨ストレッチはこの肩甲骨の可動をよくしていく施術。行く前は肩甲骨まわりを少しずつほぐしては伸ばす、みたいな動きを想像していたのだが全然スケールが違った。αさんはうつぶせになった私の肩口と腰に手を当てると、上半身全体を斜めにビヨーンとダイナミックにストレッチ。わしはパン生地かっ！てぐらい、これがまたよく伸びるのだ。さらに約17種類あるという肩甲骨まわりの筋肉を丁寧にほぐしていくと、背中がどんどん柔らかくなって胸が開き、なぜか顏まで半笑い。すべての施術を終えて再び背中の可動チェックをしたら、面白いように手が後ろに回るではないか。「うわ～、すごい！」、思わずαさんと共に声を上げ、うれしくてつい何度もやってしまう。

実は最近、すごく気になっていたことがある。街を歩いていても、電車の乗り換えでも、つい目がいってしまう“オンナの背中”。ご婦人たちはともかく、若い女子たちの背中がどうにも丸いのだ。あるテレビ番組の調査では、「10代女子100人中、猫背な人は87人」と発表している。で、自分の背中を棚に上げて、この際ハッキリいっておこう。猫背の美女はいない。姿勢の悪いキャサリン妃なんて想像できない。猫背マニアは相当のマニアだ。いい女になりたければ、洋服を買うより、メイクを変えるより、まずは肩甲骨を整えて“猫化”を防ごう！

◇今回体験したコース
疲労撃退コース60分　6480円