2015年4月22日 更新
細胞ごと一新!舞浜で「おこもりトリートメント」の巻
◆ はじめての、ひとりディズニーリゾート
金曜午前9時、カップルや家族連れで賑わう舞浜駅から、私はひとりディズニーリゾートラインに乗り込んだ。東京ディズニーリゾートには、これまでに10回ほど訪れているが、アトラクション以外の目的で来るのは初めて。隣に座った4歳ぐらいの男の子が、じっとこちらを見ている。「この人、何で乗ってるの?」「どうしてひとりなの?」とでもいいたげに……。大丈夫! ひとりでビッグサンダー・マウンテンとか乗らないから。
2駅目のベイサイド・ステーションを降りると、眼前に白亜の高級ホテルがそびえ立ち、一気にテンションが跳ね上がる。本日の目的地は、ここシェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル内にある「キュアトリートメントサロン レミュー シェラトンホテル舞浜店」さん。チェックアウトを終えてリムジンバスを待つ人、ロビーでくつろぐ外国人のファミリー、遅めの朝食をとるマダムなど、ホテルならではの少しざわついた感じが心地よく、気分はすっかりトラベラー。つい30分前に永田町乗り換えでサラリーマンの雑踏にまみれていたことなど、遠い昔のようだ。
レミューさんは本館からつながるオアシス棟の地下に佇む、いわゆる隠れ家サロン。ガラス張りのエントランスに真っ白な壁、そしてレッドカーペットを思わせる真紅のアプローチ……。セレブ感を味わうには充分すぎるシチュエーションである。そして、本日私が受けるのは「オーダードメイドお試しコース・120分」。担当の佐藤さんは、きさくで明るい30代ぐらいの女性で、体質や食生活、持病、現在の悩みなどを詳細に記入したカウンセリングシートを見ながら、今の私にとってベストなメニューを組み立ててくれる。結果、むくみ・肩こりを中心に、全身のコンディションを底上げするプログラムに決定! 貸切状態で利用できるロッカールームでガウンに着替えると、さっそく施術ルームへと移動する。
広い! ゴージャス! 美しい! 薄暗い!
そこには絵にかいたような高級リゾートの風景が広がっている。これこれ、これを待ってたのよ。ふだん都内でマッサージを受けているせいか、そのスケール感にまず圧倒! そしてすでに私の脳はバリ島に着陸している。
◆ えっ、なにここ、人間ドック!?
むくみケアに効果的だというパチュリに、ローズマリー、ラベンダーをミックスしたエッセンシャルオイルで、まずはボディトリートメント。大好きな香りに包まれながら、たっぷりのオイルで背面、そして前面をケアし、さらに汗出しパックをしながらのフェイシャル、頭皮マッサージというのが今回の流れだ。ちなみにレミューさんは、エステではなくカラダを改善するサロン。どんなに外側が美しく変化しても、中身がボロボロでは楽しくない。だから健康と美を同時に高めていきましょうという思想には、共感する人も多いだろう。
佐藤さんは、私の肩に触れるや「うわー、硬いですね」、膝裏のゴリゴリをほぐしながら「詰まってますよ~」、そして、足裏に触れると「冷たい!」と実況中継。こうしてスキャンするようにカラダのサインをひとつひとつ丁寧に読み取り、その場でケアしてくれるのだ。最も驚いたのは、フェイシャルのあとに「右の歯、食いしばりとかありますか?」と聞かれたこと。そういえば噛み合わせが悪くて、昨年右の奥歯を治療していたのだ。「顏の右側の筋肉が硬いんです。それが、首や肩のコリにもつながっているのでしょう」。……えっ、どうしてそこまで分かるの? なにここ、人間ドック? その精密さに驚き、ここがエステじゃないことを改めて実感する。
寝落ちしかけたカラダを、メンソール系オイルを使った絶妙な頭皮マッサージで覚ますと、あらかじめお湯を出して温めておいてくれたシャワールームで全身を流し、再びロッカールームへ。アフターティーをいただきながら、生活習慣などのアドバイスを受けて本日の施術は終了!
正直、舞浜までトリートメントを受けに行くってどうなんだろう、と最初は思っていた。しかし、今は来る価値は十分にあると断言できる。そもそも、東京ディズニーランドは現実から切り離された「夢の国」。みんながニコニコして、どう考えてもポジティブな気で満ちているエリアでの「おこもりトリートメント」だ。瞬間的に日常を忘れて自分をリセットするのに、これほどふさわしいシチュエーションはないだろう。ひとりディズニー、やみつきになりそうです。